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空き家の管理責任の所在 |
民法898条・899条・918条 |
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「私は相続放棄をしたので空き家の管理義務はない。」 |
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家庭裁判所に申述を行なっていなければ、 |
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この言い逃れが通用しないことはご理解頂けたことと思います。 |
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ただし、相続をしたからといって所有者であるとは言えません。 |
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たとえば、相続人が子供三人の場合、 |
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三人の合意によって、 |
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@そのうちの一人が単独で相続する場合もありますし、 |
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A三人の共有で相続する場合もあります。 |
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@の場合、もし兄弟のうちの自分以外のどちらかが相続すれば、 |
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その相続した人が所有者となります。 |
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そうなれば自分は所有者ではありませんから空き家の管理義務もありません。 |
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ポイントは誰が所有者になるか決まるまでの間の管理責任です。 |
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相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。 |
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各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。 |
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相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、 |
相続財産を管理しなければならない。 |
ただし、相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。 |
(以下省略) |
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つまりは、被相続人の死亡から3ヶ月以内に相続放棄の手続きを行なっていなければ、 |
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相続人全員の合意を経て、自分以外の相続人が所有者になるまでの間は、 |
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自分にも空き家を管理する義務があるわけです。 |
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空家対策特措法 第3条 (空家等の所有者等の責務) |
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空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、 |
周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、 |
空家等の適切な管理に努めるものとする。 |
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空家対策特措法3条で空き家の管理責任を所有者に限定していないのは、 |
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民法でこのような規定があるからです。 |